2 自伐型林業

林業×スマートフォンの活用

こんにちは!自伐型林業2年目のよってぃです。

私は、もともと埼玉県で事務員だったもので、毎日パソコンとにらめっこしていました。

その時から林業の仕事ってもう少し楽にならないのかな?と思うことがあり、スマート林業展に行ってみたりしていました。

ただ、そもそも儲かっている業界ではないので、あまり大きなシステムはIT業界も参入してこないという厳しい現実がありました( ;∀;)トホホ

 

それなら、コストをかけずにできる範囲で何かできないか?と思ってやってみたのが、木材価格をスマートフォンで計算することでした。

 

こちらの計算方法のベースは、愛媛県の菊池俊一郎先生から教えていただいた方法を使用させていただいております。

林業の時給ってわかりにくい!

林業の仕事は、1日どれくらい稼げているのか、イマイチわかりにくいです。

というのも、木材の価格は1立米あたりいくらとなっているので、この伐った木は一体いくらになるんだろう?というのが想像がつきにくいです。

 

でも、アルバイトをするときに、時給がわからないまま働くことってないですよね?!笑

例えば、1日3本の木を倒しても、1本1000円だったら1日の稼ぎは、3000円にしかなりません!(実際は更に通勤・燃料代・道具代etcいろいろかかっています…)

これで8時間働いたら時給375円です。

極端に聞こえるかもしれませんが、1本1000円にしかならない木も存在しています

スマートフォンで木材価格を計算出来る!

ということで、木を2本切りました。

1本目の明細がこちら↓

2本目

まず初めに注意点ですが、あくまで自分の目測になるので、実際に市場に出した時とはズレが生じます

明細の見方

長さ:丸太の長さになります。地域によって違いますが、佐川町では3m~6mで取引されることが多いです。(あまり長いとトラックの荷台が3mなので乗りません)

 

直径:マンガに出てくるような丸太(彼○島とか)だと、太さが一定のイメージがありますが、実際は木のてっぺんに向かうにつれて細くなっています。木材でいう直径とは、丸太の細いほうの直径である「末口」のサイズで取引をします。

また、切り口も真ん丸ではないので、楕円の中でも一番短い部分で計測します。

 

曲がり:出荷された木材は、主に建築用材の柱や板にされていきます。その際に、曲がれば曲がるほど、製材所(木材を加工する工場)は損をするため、曲がっている分の買取価格が下がっていきます。

 

金額:先ほど、1立米あたりの金額しかわからないとお伝えしましたが、1つの丸太の金額を算出するために、別のフォーマットで1つの丸太あたりの体積を計算しています。

丸太の体積の出し方は、末口二乗法をいう方法を利用します。

例えば、末口20cmで3mの丸太の体積は

0.2(m)×0.2(m)×3(m)=0.12立米

となります。

 

そして、1立米あたりの金額が例えば18,000円だとしたら、末口20cmで3mの丸太の金額は

18000×0.12=2160円

となります。これが、金額の項目です。

 

どうやって、スマートフォンに入れているの?

明細が分かるのは良いけど、じゃそれをどうやって持ち歩くの?が問題ですね。

この明細表はgoogleスプレッドシートを使用しています。

googleアカウントの中で管理しているので、パソコンで開いてもスマートフォンで開いても、同じものがみられるようになっています。

手順1 パソコンで市場価格を入力する

まずは、木材市場などから貰った立米単価表を入力します。

データではもらえないので、紙で貰ったものを手で入力しています(笑

手入力も自動化できるの?

入力も省略できないか?と思い、調べたところ、OCR機能を使えばできないこともなさそうです……。

OCR機能とは、簡単に言うと写真で撮ったものの文字情報を、文字データに自動でしてくれる仕組みです。

こちらも、googleフォトで撮った写真を読み込むと、無料で認識はしてくれます。

ただ、表の枠線は認識してくれないため、

上画像データを試しにOCR機能を使うと、下記のようになります

材長

樹種

末口径

・・・

 

という形で永遠に下に続いていく形になるので、手で入力したほうが早そうなので今のところは使っていません。

 

手順2 丸太1つ分の体積×木材単価の表を作る

立っている木ではなく、丸太1個分の金額を表示させます。

この表を作るだけでも、今どの太さが高いのか、何mの長さが需要があるのかなどがざっとわかります。

手順3 直径・長さ・曲がりの入力フォームを作成する

このように、入力規制の機能を使用して、数字を入力しなくても選ぶだけで良いようにフォームを作ります。

そして、手順2で作成した表から金額を表示できるように数式を入れておけば、完成です!

 

↓携帯で入力している様子

googleスプレットシートは圏外の山で使えるの?

googleスプレットシートのメリットは、オンライン上にあることで、いつでもどこでもリアルタイムに更新ができるところです。

ただ、山奥では電波が入らないところが多いです!

実際に今回写真を載せた場所もオフラインでした。

 

ですが!インターネットが繋がるところで木材単価を入力しておき、オフライン状態でスプレットシートを使っても、問題なく使うことが出来ました。

結局、なんのメリットがあるの?

結論:時給が上がる

ここで最初の話に戻ってきます。

同じ時間仕事をしていても、木のカット方法によって1本の立ち木の金額変わります。

例えば、9mの木があったとします。この木を一番高くするにはどうしたらいいのか?

木を切る前に、比較することができます。

分かりやすくするために、全て直(まっすぐ)という仮定で計算しています。

(実際は、曲がっているところを避けてみたりと、考慮するところは何点かあります。)

この表でいうと、同じ立ち木1本でも、切り方で3000円ほど差が生まれることがわかります。これを10回重ねれば3万円、100回やったら30万円と、倒した木は同じでも、最終的な金額に差が出てきます。

時給換算すると?

経費は考慮せず、プランAとBで8時間勤務&3本の木を切ったこととします。

プランA

1日の売上: 5292×3=15876

時給: 1984円

 

プランB

1日の売上: 8530×3=25590

時給: 3198円

 

いろいろな制約があるため、こう簡単には実際はいきませんが、こうして比べてみると約1.5倍の時給の差になることがわかります。

身近なアルバイト等と比べるためにあえて時給で表示してみましたが、日当で比べてみても1万円の差になります。

それで労力はほとんど変わりませんから、一度フォーマットを作ってしまえば、ほぼコストをかけずに時給をあげることができるのです。

スマートフォンだと、持ち物が増えない

実際に山で木を伐るときは、非常に持ち物が多いです。

チェンソー、飲み物、くさび、ハンマー、ロープ、滑車etc…

そして基本的に平らなところがないので、ファイルとボールペンを持ち歩いても置くところがありません!なので、紙を印刷して持って行っても、中々持ち歩くのが難しいです。

スマートフォンだと、100均でもホルダーが売っているので、カラビナで腰に付ければ邪魔になりません。

←こんな感じです。

 

 

 

 

 

 

以上、スマートフォンを使って、林業の時給を上げるお話でした!

私は元事務員ということもあり、エクセルやスプレットシートを日々使っていたので、簡単に作ることができました。

自伐型林業は、他業種から転向して参入する人が多いです。

それはつまり、体力面では厳しいところがあったり、プロには勝てないというデメリットもありますが、今までにやってきたことを生かせるというメリットもあります。

林業という仕事は、山を守るため・治水・海への栄養分等々暮らしに実は直結している大切な仕事ですが、危険も多く、体力面でも道なき山を一日中駆け回らなければならないので、大変なことも多いです。

しかし、いろんな経験を持った人が林業界に参戦することで、良い化学反応が起きたらいいなと私は思っています。