5 農業

さかわのお茶通信 ■  さかわ茶探偵、夏を楽しむ

●さかわ茶探偵、経過報告

昭和62年、土佐茶は100周年を迎えていたそうです。
その100周年の資料によりますと、高知の新茶まつりの先駆けとなったのはなんと佐川町だったようです。来年状況が落ち着いていたら、ぜひ佐川でやらねばと思う次第でございます。
また今現在分かっている古い記録は、昭和7年黒岩地区で在来種(ヤブキタのように品種化されていない、元々生息していた茶の木)を撒いたことです。青山文庫にもさかわの茶史について問い合わせたところ、黒岩地区が深尾領と天領に分かれていたということを教えて頂きました。驚きました。土佐藩方面からも攻められそうで、中々面白いことになってきております。そして思いの外、壮大な話になってきました。
何と言ってもこの夏一番の驚きは、尾川の奥、古畑に紅茶工場跡が残っているのですが、そこから峰まで滑車のようなものが繋がっていた、ということです。昭和30年代頃のことですので、今のように1人1台車を持っている時代ではないでしょう。それにしても峰から……。当時の写真をお持ちの方は、ぜひご一報を。

●水出し茶の研究報告

水出し茶の作り方を、『水1リットルに対してお茶の葉10グラム、冷蔵庫に20分から2時間置いておく。一晩置いておいてもいい』とセオリーに基づき説明してきましたが、果たして違う茶種でも全部同じ扱いでいいのか? と疑問が沸き、実験を致しました。
主観に基づく結果ではありますが、ご参考までに。
★水出しに最適、リーズナブルなおやこ茶
セオリー通りでよく抽出されるが、20分では薄い緑にしかならず。2時間待つと金色に色付き、人によってはややあっさりと感じるかもしれないくらいの、すっきりとした味わいになる。
→一晩置いておく時は、お茶の葉の量をやや減らしてもよい。早めに作り上げたい時は、お茶の葉の量を増やしてみる。
★新茶シーズンに買った煎茶が余ってしまった!
残念ながら、セオリーに基づくと6時間程待たないと味が出てこなかった。8時間でも苦味が強くはならなかった。
→一晩置いておくなら、セオリー通りの量でよい。2時間程度で作りたい時はお茶の葉の量を増やす。

4時間経過写真。おやこ茶が左、右2つは別々の煎茶。色が全然違う。

煎茶の水出しは、引き続き量を変えて研究致します。

●ずぼら茶街道

とは言え、毎晩水出し茶の準備をして就寝するのも大変です。
だけどこの時期に温かいお茶を飲みたいとも思えない。
忘れていましたが、私は楽をするための努力は惜しまない人間でございました。
考えました。実験しました。
急須にお茶の葉を入れ(1~2人辺り5グラム程)、その上にご家庭で作った氷を5個くらい入れます。沸騰したお湯を200mリットル急須に直接注ぎます。待ちます。
温度が大体30℃くらいまで下がりますので、5~10分くらい、お茶の葉が開くまで放置します。温度が低いとお茶の葉はゆっくり開くので、その間にちょっと洗い物をしたり、洗濯物を取り込んでいても大丈夫です。

ガラスの急須で淹れると、さらに涼やかさが増す。

新茶が残っている方に、おすすめです。

●尾川のかき氷

今年は例年になく大人気のかき氷街道。
やはりお気に入りは尾川ドリームであります。イモの甘さに弱いです。

暑い時に外で食べるかき氷は贅沢である。

シロップがなくなってしまっているお店も出てきているようなので、食べたい方はお早めに。