2 自伐型林業

4月からのあれこれ

はじめまして。今年4月から自伐型林業チームに加わりました7期生の大熊です。
林業未経験からはじまり早3ヶ月、先輩にくっついてチェーンソーでの伐木作業やバックホー(油圧ショベル)での作業道開設作業などの基礎を教えていただきながら、新型コロナウイルスの落ち着きに合わせて林業に関する資格の取得も進めてきているところです。
今回は私の趣味とする写真を利用してこれまでの活動の一部をご紹介したいと思います。

 

 

さかわの桜とともに、町民の方々、地域おこしの先輩方にも温かく迎えていただきました。

 

 

 

佐川町内に点在する練習フィールドを案内していただき、これからお世話になる重機にもご挨拶。

 

 

 

 

まずは先輩方に林業作業の基礎を教わります。
樹上伐採(特殊伐採)に役立つツリークライミング技術の紹介などもしていただきました。

 

 

 

 

新型コロナウイルスの影響で参加見合わせとなってしまった、林業大学主催のチェーンソーで伐木作業を行うため講習会のかわりに、地域おこし以前から林業をされてきた先輩が自伐型林業推進団体さん指導のもと、私たちの為に小さな講習会を開いてくださいました。

 

 

 

 

 

 

こちらは紅葉スポット、シャワークライミングスポットとして知る人ぞ知る長谷渓谷の倒木処理見学の様子です。

 

 

 

木を倒す際、伐倒方向と木の重心が大きく異なる場合や隣接する他の木に引っ掛かってしまう可能性があるなどのときは、できるだけ木の高いところへとロープをかけ、倒したい方向へと引っ張る必要があります。こちらはウェービングと呼ばれる技でロープを高いところへ上げている様子。上手く上がったらランニングボーラインなどの結び方を使って固定しテンションをかけます。

 

 

こちらは私が初めてスギの木を倒したときの記録写真。佐川町の植林の多くはヒノキの為、スギを伐倒する機会はとても少ないのです。スギとヒノキの外見は似ていますがスギの方がとても柔らかいので刃の入り方や倒れ出すタイミングでも違いが感じ取れます。

 

 

 

 

5月中旬から自粛規制が緩和された事で、林業関係者の育成を幅広くサポートされている高知県立林業大学校主催の講習会への参加もできることとなり、林内作業車や小型移動式クレーン、そして佐川町の自伐型林業には欠かせない小型バックホーの運転する為の資格も取得することができました。

 

 

 

こちらは同じく林業大学が開いて下さった安全なかかり木処理の実践と林業現場のヒヤリハット講習会の様子。「かかり木」とはチェーンソーで倒そうとした木が、他の隣接する木などに引っかかったまま地面まで倒れてくれない状態のことで、聞くだけでは取るに足らないことのようにも感じますが、実は林業死亡事故の2割近くの原因がかかり木というくらい危険な状態なのです。ですので、まずはかかり木を作らないことが先決ですが、木と木の間で伐木をする間伐作業の多い自伐型林業では避けられないことも多いため、かかり木となった状況でいかに安全な処理ができるかもとても大切な技術となってきます。

 

 

 

こちらはチェーンソーの目立て(刃を研ぐこと)と林業刃物の研ぎ方講習へ参加したときの様子。チェーンソーは目立てが命と言われるくらい、目立ての良し悪しで作業スピードや疲労度、安全度が大きく変わってくるため、チェーンソーがメインとなる作業では半日の頻度で目立てする方もいらっしゃいます。それにも関わらず複雑な形状の小さな刃がいくつも並んでいるチェーンソー。綺麗に均等に目立てできるようになるには正しい知識が必要です。
替え刃式が主流となってしまった鋸の研ぎ方なども教えていただきました。

 

 

 

 

 

そして、梅雨を迎えた佐川町。貴重な晴れ間を狙い、取り立て免許のバックホーや林内作業車の安全な操作を鋭意特訓中です。

現在、佐川町内の自伐林家さんは、町の協力も得ながら3tクラスの小型バックホーを操り、山の中に「作業道」と呼ばれる幅約2.5mの道を張り巡らせることで、手が届かずにすっかり荒れてしまった山々を安全で丈夫で健康的な山に育てるための地盤づくりを進めていらっしゃいます。
私も良い山を育てることのできる自伐林家を目指し、まずは安全に手足の如くバックホーやチェーンソーを操れるよう日々精進してまいります。