雨の多い日々が続いておりました、その後お元気に過ごされていましたか?
思い返せば高知に来て最初の一昨年の夏は冷夏と呼ばれ、去年は例年らしい日差しに焼かれ、今年はどうも多雨でした。一体高知の夏とは何なのだろうか、謎が深まるばかりです。
そんなわけで、探偵業に再び戻っております。
三年という任期の終了も見えてきて、さて着地地点をどこにしようかと考えるために、これまでの情報を見返すことにしました。
そうしたらなんと驚くべきことに、一番最初に当たった『佐川町民報』に、現在越知町片岡にある茶園堂は、黒岩から移設したという記述を発見しました。一年前にはさらっと読み進めた文章に、気づけなかった暗号を見つけたようです。新たな謎を探しに探偵は行きます。
どうやら昔はお寺などで、道行く人などにお茶を振る舞うということがあったらしく、黒岩地区のお寺で茶を栽培していた記録は残っていることもあり(長宗我部地検帳より)、大変興味深い一文です。
●一番茶の終わりからこれまでのこと
お茶の葉っぱは、春から秋に掛けて四回ほど芽吹きます。
冬は寒いので休眠して、その間にたっぷり養分を蓄えた春先の、一番最初に芽吹くお茶を一番茶と言います。
一番茶を摘んだ後、二番茶、三番茶とお茶の木は芽吹き続けているのです。
さかわ茶の二番茶は、一番茶と同じく煎茶になるものと、釜炒り茶・ウーロン茶・紅茶になるものがあります。大まかな作り方の違いはこんな感じです。
・釜炒り茶
煎茶は葉っぱを蒸しますが、名前の通り釜で炒ります。
・ウーロン茶
摘んできた葉っぱをおよそ一晩、酸化発酵させます。
・紅茶
摘んできた葉っぱをおよそ一晩、酸化発酵させ、良く揉んでさらに発酵させます。
お茶を揉む機械、揉捻機。なお明治18年に整った日本の特許制度の特許2~4号は製茶機械なのである。
どの葉っぱも佐川町の茶畑から摘まれてきて、時期により、作り方により色々な表情をみせてくれるのです。
以前は佐川町でも真夏の太陽の下、三番茶も摘んでいたそうですが、現在は三番茶摘みはしていません。
そして今、今年最後のお茶の芽が、芽吹き初めています。
●さかわの茶畑紹介 ー四ツ白編ー
そう言えばこれまで、個別に茶畑のことを紹介したことはなかったと思い立ち、順番にお伝えしていきます。
まずは四ツ白。
佐川町北部黒岩地区の、上の方にある集落です。
昔は紙作りを行っていたそうです。太刀踊でも知られているところです。
雲が近い場所、と表した方もいたそうな。
同じ干支の、茶農家最年長の方がいらっしゃいます。
年々茶畑に勢いが戻ってきているようで、通う度に嬉しく思います。
足元が悪い場所も、足袋ですいすい歩いて行ってしまう。
片側が小さな崖になっていて、そこを通る時はいつも内心ドキドキしている。
生姜を作ったり、五年ぶりにお米を作ったり、働き者だといつも頭が下がります。
景色は風靡でも、平地の収量より2~3割減になるそうだ。
中々棚田をやるのは難しいと聞いた。
水も綺麗で、寒暖差もあるので、それはとてもおいしいお米がとれるとのこと。
午前中は日があまり当たらないので、朝早くからさっと仕事をされています。
さかわのお茶は、煎茶と親子茶を混ぜたらおいしい、釜炒り茶と親子茶を混ぜたらおいしい、と、お茶を飲むたのしさも、よく聞かせてもらっています。