こんにちは林業7期生の大熊です。
こちらの画像はスローラインの練習風景です。
このスローラインは木の高いところへロープを掛ける為の道具で、
1~2mmほどの特殊繊維(破断強度約200Kg)でできたスローラインの先端に、
300~400gくらいのスローウエイト(オモリ)を結びつけて振り、
遠心力を利用して飛ばすことで木の高い枝へスローラインを掛け、
枝を介して下りてきた先端のスローウエイトを太いロープに結び換えてロープを引き上げるというもの。
元々は木を守るアーボリスト(樹護士)方々が、安全な樹上作業に必要な命綱を予め木の上に掛ける為に使っていたものですが、
林業でもこの技術を活用させていただき、木々の間を縫うように伐倒しなければならない間伐などで、安全に木を引き倒す為の牽引ロープを掛ける作業に使っています。
下の画像はスローラインをロープに掛け替えた後の様子です。
※画像のようにランニングボーラインで締め込んでしまうと木が倒れるまで解くことができなくなるのでお勧めしません。。
このように木に登らなくとも15mほどの高さにロープを掛けることができます。
もちろんロープをここまで上げずに倒せる場合も多々ありますが、
ロープの位置は高ければ高いほど木を引く力が少なくすみますので、
本来重機やチルホールなどの大掛かりな牽引具で引き倒すような伐倒作業でも、木の先端近くまでロープを上げることで軽くて小型なウインチで倒すことができたり、場合によっては手で引くだけで倒すこともできたりします。
注意点として、、
初めの頃はスローラインを一本掛けるのに半日かかってしまったり、木に掛けたあとのスローラインの処理を失敗するとスローウエイトが木の枝に巻きついて降りて来なくなったりと、ある程度練習しないと仕事になりません。
電線や建物の近くでは感電、器物破損などの危険もありますので注意も必要です。
※ヘルメットの着用、投げる時のかけ声、投げた後の頭上注意喚起もお忘れなく。
とは言え、練度が上がれば危険な「かかり木」が発生した場合でも、かかり木の下に入らず離れた場所から牽引ロープを追加するなどの、
安全作業の選択肢を確実に増やすことができますので、私も引き続き練習を続けたいと思います。
それでは本日もご安全に。