2 自伐型林業

作業道の踏査研修に参加しました。

こんにちは、8期のオカチャンです。

自伐型林業では木を切って出すための作業道を、基本、自分で作設します。作業道は、林業をおこなう上で大きく経営の方針を左右します。安全で壊れにくい作業道があると、仕事の効率に効果があるだけでなく、気持ちの良い道を通る事で、山に行く気分も“あがります”ですね。

林地に作業道を作設するにあたり、地図上で施業地の範囲、地形をみてどのように路線つけするか大まかにあたりをつけ、そして現地を歩いて最適なルート選定をしていきます。作業道の先生をお招きしてルート選定していただきますが、この現地踏査がなかなか手ごわいのです。

これから道をつけようとする山域なので、当然道のないところを歩きます。いい感じに植林が成長していて下草があまりなく歩きやすいところもありますが、灌木やらイバラ、シダが旺盛に繁茂し、強烈なブッシュ、ジャングルを歩くこともあります。歩きながらこの路線にしようと思われるところの立ち木などにテープで目印をつけていきます。歩いて行った先に、  地図では表記されていないような急傾斜地や露岩があって、「あかんわ、これはあかん」と引き返し、やり直しになることもたびたびです。一日中山の中を歩き回ることになります。(画像:先生について協力隊メンバーがついて歩く)

年度末に近くなると、来年の施業地の踏査を行う案件が重なります。3月で佐川町協力隊関係でも複数の踏査がありました。今年で協力隊を卒業するかたがたの新規施業地とか、協力隊OBの方が町の集約地をあらたに施業するために、とか、町有林での協力隊メンバーの新規施業地とかとか・・・。関係する作業道踏査にできるだけ参加して、ルート選定の考え方や、具体的な路面の高さ、法面の勾配、ヘアピンの仕上がりイメージなど、お話を聞きながら先生と同じ目線で歩いていくと、なんとなく道なきところに道が見えるような気がしてきます。こうして経験値をあげるのも協力隊業務であります。自分はこの3月でのべ9日の踏査に参加しました。

作業道は林業における機能的な方策ではありますが、決して万能ではありません。そもそも地形的に作設できないところもあります。また、急傾斜地や、岩が多く露出しているところなど、多くの労力を要する場合があり、苦労して道を付けるべきか慎重に判断すべきこともあります。

未熟な技能のまま山肌を掘削すると、転落などの事故の危険性が付きまといます。排水の処理を適切に施工しないと作業道が雨水を集めてがけ崩れを誘発しかねません。

踏査しながらそうした作業道の意味、機能の限界、作業上のリスクなどひとつひとつ教えてもらいました。(画像:既存の林道からの入口を選定しているところ)

協力隊に入って一年目、教えていただいたことがどこまで理解できて、どんなふうに道を付けられるのか・・・。それはもう、やってみるしかないですよね。がんばるべし。